経験にもとづくマイホームと保険のアドバイスでお客様を幸せにしたい~松浦建二氏インタビュー

300本近い記事を執筆し、FPとしても延べ約一千件の相談実績をもつ松浦建二氏

一般的なライフプランの節目は、マイホーム購入と保険の見直しです。

生活総合情報サイト「All About(オールアバウト)」に医療保険ガイドとして300本近い記事を執筆しています。


またFPとしても延べ約一千件の相談実績をもつ松浦建二氏は、大手住宅メーカー、外資系保険会社、保険代理店での経験をもとに、子育て世代に役立つアドバイスを提供しています。


住宅メーカーと保険会社の勤務経験を武器に

――松浦さんが今の仕事に至るまでのご経歴を教えてください。

1990(平成2)年に新卒で大手住宅メーカーに入り、5年間販売会社に出向しました。

多摩地区全域や神奈川県北部の担当で、ひたすら空き地や古い家を調べて電話や飛び込み、不動産屋巡りなどをしました。


当時は今と時代が違うので、日常的に労働時間が長く、売ったら売ったで忙しくなりますから、帰宅が12時過ぎになることもざらでしたね。

そこをようやく5年で終わると、次は千葉で農協回りをして農協から注文をいただく仕事になりました。


農協の組合員には資産家も多く、母屋の建て替えやアパートの需要があるので、他メーカーが来ないような遠方の農協の支所まで一軒一軒訪ね、推進をお願いして回っていました。

結果も残せたし、のびのびとやらせてもらったので、これは楽しい3年半でした。


そして、次の人事異動で千葉を離れる話が出ていた頃に、ちょうどヘッドハンティングがあったんです。

じつは元同期社員が出版社に転職して、『営業の達人』という本の取材に協力したら、たくさん問い合わせが来たことがきっかけになりました。


ちょうど30歳という節目でもあり、1998年10月に外資系保険会社に行ったのですが、その後、日本での直販をやめたので保険代理店になりました。

住宅メーカー時代に営業の武器にしようと思ってAFP資格をとり、代理店になってからCFPをとったので、2002年からは、代理店の活動をしながらFP業も始めることになったわけです。


――FPとしての集客はどうされましたか?

最初は、知り合いの保険のお客さんがメインでした。

私の得意分野は家と生命保険なので、保険の話で来た人には家の話をし、家の話で来た人には保険の話をして、とにかく名前を売ることを考えました。


2006年4月からは、生活総合情報サイト「All About(オールアバウト)」でガイドとして露出しています。

自ら立候補したのですが、これはじつは大変な労力が必要でした。


正式なガイドになるには、試しで原稿を5本、メルマガを3つくらいサンプルで書き、さらにお役立ちリンク集というのを最低でも200用意してくださいと言われました。

1回落ちて翌年再チャレンジして、めでたく正式に「医療保険ガイド」になりました。


――「All About」に載った効果はありましたか?

おかげさまでAll About経由で、原稿や取材の依頼を結構いただいているので、感謝しています。

当時のAll Aboutには生命保険担当が3人しかおらず、サイトの中では希少価値があったので、「保険に詳しい人」ということで、新聞社や雑誌などの取材も多かったですね。


最近でも雑誌やネットで保険特集等がある時は声を掛けて頂いており、ありがたく思っております。

原稿を書くことは楽しいですが、バランスを考えて、普通に人のご相談に乗る仕事を増やしたいと思っていますし、講師の仕事もやりたいと思っています。


――セミナーを開いたりはされないのですか。

何かに呼ばれてしゃべることはありますが、自主開催はほとんどありません。

大学の講師は10年以上やっていますが、2019年からは不動産会社のセミナー講師もしています。


やりたいと思っていると依頼をいただけるようになるので、思い続けることはやはり大事ですね。


――営業マンとしては、お話しするのはお得意なのでは。

そうでもないです、書くのもしゃべるのもあまり得意ではありません。

1対1でしゃべるのは好きですが、1対大勢はだとけっこうあがり症なので、研修で自分のしゃべる番が回ってきたときに、すうっと血の気が引いて、立ちくらみしてしまったことがあるんですよ(笑)。


――執筆と講師をメインに、これから相談業を増やしていきたいと。

私はどちらかと言うと深く濃く付き合うほうなので、同時進行で5人までが精いっぱいですから、あまり積極的に営業活動していません。

だいたい1年間でライフプラン、将来のお金の設計から、家を買うところまでお付き合いすることが多いですね。


中古マンションや中古戸建など、できているものを買うときは、1年でかろうじて終わるくらいになりますが、請負契約で家を建てることになると、1年では終わりません。

家を絡めると、お付き合いはかなり長期戦になるんです。



「かぼちゃの馬車」のようになる前にぜひ相談を

様々な相談を受ける松浦氏

――お客様の年齢層は?

30代くらいの新婚のご夫婦か、退職前後の年齢層が多いですね。

それより下の年代になると、まずお金に関する意識が低く、独身だとなおさら低いので、あまり来ません。


逆に60代より上になると、私との接点があまりないんですよ。


――ご相談の入口は、家を買うとか保険を見直したいということでしょうか。

そうですね、最近の傾向としては「老後2千万円問題」もあり、お金のやりくりは今のままでいいのかという将来の不安からいらっしゃる方が多いですね。

そのほかだと、親から相続でもらった家をどうしたらいいのかというご相談等もあります。


――不動産のご相談も受けられるわけですね。

はい、基本的に最後までお付き合いします。

そのお客様のご相談では、その土地の価値についてお話しした上で、そのまま自分で住むのか、誰かに貸すのか、違う用途にするのか、売るのか、そしてそれぞれどういうことが起こり得るのか、ということをを伝えました。


選択肢のアドバイスをしたうえで、どれを選ばれるかというところまで見届け、その先も手伝うことがありましたら、お手伝いしています。


――運用についてはいかがですか。

こちらから不動産を提案する場合もありますね。

老後資金が足りず、運用する必要がある時に、一部を現物の不動産に投資してリスク分散を図るような提案をすることはあります。


――不動産で失敗するケースもよく聞きますが、どういったことをアドバイスするのでしょう。

不動産の初心者だと、都市部の小さいものから入ります。

「かぼちゃの馬車」事件はニュースで見ましたが、事前にFPに相談してほしかったと思います。


入居者が0になるリスクを想定し、それでも返済できるという前提で始めるのでなければ怖いです。

たとえば年収が1千万円の人が、投資用の融資を毎月返済できるのは、せいぜい30万くらいまでで、それが80万になったら、近い将来におそらく飛んでしまうでしょう。


――借金してまでやるものではないと。

借金してもいいのですが、仮に全室が空室になっても融資を返済できるくらいにしておかないと、怖いということです。

今はこれだけ低金利の世の中ですから、私は借金をしても構わないと思うのですが、借金のしすぎ、欲のかきすぎはいけません。


私は不動産屋でなく、FPですから、何のためにやるかをきちんと説明して、あくまでもリスクをとれる範囲でお話ししますね。


――運用では、NISAやiDeCoなどをお勧めするのでしょうか。

証券関係は、株と外貨と投資信託くらいは言いますけど、そんなに深くはやりません。

私の考えるスタイルとしては、やはりあまりリスクを取りたくないんです。


投資は、結果的にはいいこともあるかもしれませんが、当然いろいろありますから、お客様も私も日々落ち着かなくなってしまうんです。

実際、保険会社で変額保険をやっていたときも、返戻金が減ってどうしようと大騒ぎするお客さんがいらっしゃって、そういう方の中には、こちらの責任にしてくる方もいましたから、それは嫌でやりたくありません。


変額保険は、変額ではない保険に比べると保険料が割安な場合が多いので、きちんとリスク回避し、最悪運用に失敗しても死亡保障として残る、というつもりでいてください、運用の結果に一喜一憂しないでください、と伝えています。

結果オーライなのですが、変額保険で解約返戻金や満期金が結構増えたという人も多く、投資用マンションでも、含み益が随分できた人が多いです。


――住宅ローンの相談は?

普通、FPは住宅ローンが守備範囲で、家そのものには詳しくありません。

ただ私は住宅業界出身なので、逆にローンだけではつまらないので、全部やることにしています。


たとえば資産の大部分が自宅であるような人だと、将来お金が足りなくなりそうなのであれば、その大部分を運用できない状態にしておくのはもったいないと思います。

そこで、「自宅を少しサイズダウンしてもいいのではないか」とか、「一部を貸して運用資金を確保してはどうか」とか、「その物件の将来性、耐久性を考えると、そのまま住み続けることはどうなのか」とか、そういうお話をしてアドバイスします。


――そういうアドバイスをできるFPはあまりいませんよね。

はい、いないと思います。

私はどちらかと言うと、不動産屋さんではなく住宅屋ですが、不動産屋さんは細かい家のことがあまり得意ではない人が意外と多いんです。


私は経験者ですからよく知っていますが、2つとない土地を測って、お客さんの要望を踏まえて立体的にプランを組むことは、一般の人が思う以上に難しいことです。

僕がいた住宅メーカーは、営業がプラン作成までしていたので、結構大変でしたが、逆に言うと、そういうことを身につけることができたのはよかったと思っています。


実際にFPになってから、間取りの打ち合わせに同席して、いろいろ指摘したりもします。

僕はもう住宅業界を離れているので、今の住宅の営業マンにはかなわないかもしれませんが。


――シニア世代のご相談はどういう内容ですか?

やはり退職金をどうしようかというお話だったり、生活サイクルが変わる中でお金はいくら使ったらいいのかといったお話ですね。

そういうご相談の場合は、まず基本の生活をするのに足りるのか足りないかを確認し、足りない場合はどうするのかを考えます。


働き続けるという選択肢もありますし、運用する選択肢もありますし、住み替えるという選択肢もあります。



お客様が幸せになるためのアドバイスに徹したい

FPとして人生設計のお手伝いをしたい

――FPというと、いつ来るか分からないリスクの準備をしていますかと脅すイメージがありますが。

脅かすイメージがありますか?(笑)

たとえば生命保険では、もしものことをイメージしてもらう時に、そのように受け止める人もいるかもしれませんが、私はFPがメインですから、やはり楽しく幸せな人生設計を手伝いたいと思っており、そちらに重きを置いています。


たとえば家を買おうとしている人は、基本的に、夫婦関係がうまくいって、人生のいちばん幸せな時期にある人だと思います。

そういう人が幸せになるためのお手伝いをすると、こちらも幸せになれますから、そういうことをやっていきたいと思っています。


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名称:FP事務所《PRIVATE MONEY》
代表者:松浦 建二
保有資格:NPO法人日本FP協会認定CFP®、厚生労働省国家検定1級FP技能士
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナーは、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
FPに関する主な業務・経験 住宅総合相談、生命保険相談、ライフプラン相談、生活サポート相談、法人福利厚生相談 FP資格取得支援相談 等
執筆:オールアバウトのマネーガイドとして、2006年から医療保険を中心に保険関連情報や貯蓄・節約等の記事を連載中(累計300本以上) 
高齢者住宅新聞の「保険アドバイザーから見た介護・医療」(2007年から2012年まで全58回)
親が遺す不動産いちばん賢い対処法ズバリ!(すばる舎)
価格com 生命保険を学ぶ(生命保険の選び方や見直しのポイント等多数)
シースタイル 不動産情報のスマイスターMagaZine(不動産に関するコラム多数)多数
講演・講師:「無駄な生命保険はもういらない!~公的保障制度を踏まえた最適な保障プランを考える~」日本FP協会主催2017年FPフェア 他
ホームページ:http://www.ifp.cc/
オールアバウト プロフィール:https://allabout.co.jp/gm/gp/265/
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取材日:2020年3月31日